2009
06.23

連載 「窯八の来た道」 4

運命の出会いがあるのは、もうすぐ…
でも話はまだ新米の陶芸サークル会員だったころのこと。

  そのころはまだ、「どんなものを、どんな風に焼くか」
  ということはまったく考えていませんでした。
  そこで、先輩に「釉薬」についてを教えてもらいました。いわゆる色、のことですね。
  原料をまぜあわせてすり鉢でよくすりあわせて出来た灰色やむらさき、黄色などの
  ドロドロし液体を作品にかけ、窯に入れて焼くと…
  まったく違う色に!  へぇ~ ふ~ん おもしろいなぁ~
  作るだけ作って山のようにあった自分の作品に釉薬をかけて
  サークル内にあった灯油窯で次々と焼いてもらいました。
  出来上がりは?
  ちょっとしっくりこないけど、まぁ~こんなもんかな?

  さて、作陶場には「陶芸の歴史」「日本焼物図鑑」なんてのがずらりと並んでいたので
  僕もそのうち片っぱしから眺めてゆくようになりました。
  地域という横軸、歴史という縦軸から焼き物を見ていると本当に色々な焼き物があり、
  その中でも、なんとも不思議な色合い、うまいんだか、へたなんだか?
  僕にも作れるんじゃない?  というような焼き物が出てきたのです。
  「備前」「信楽」「常滑」…「びぜん」「しんらく?」「つねすべ?」…?
  それは学術上「器(せっき)と呼ばれる焼き物で、歴史上は平安~室町時代に発達した
  昔の焼き物でした。今は総称して「焼き締め」と呼ばれているものです。

  「へぇ~土を焼いただけか。釉薬は使っていないんだ」
  「高温で焼くことで、土を締めるってことか」
  妙に惹かれるものがあり、しばらくはそのあたりの写真ばかり見入っていました。

  「お前、焼き締めが好きなの?」
  と先輩に声をかけられました。
  「すぐ近くに穴窯(あながま)で信楽(しがらき)を焼いている陶芸家の人がいるぞ。
   行ってみるか?」
  アナガマ!シガラキ!
  「行ってみたいです」

  この一言で僕のその後の人生を決めることになるなんて、思いもしませんでした。
  
                                                  つづく
  
    
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